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事例紹介４：「首都圏における産学官連携」
○(社)ＴＡＭＡ産業活性化協会　事務局長　岡崎英人
岩手県から来て頂いて感謝している。概略を説明したい。ＴＡＭＡはエリアが広い。川越から湘南に至る地域で国道１６号線の沿線である。今後圏央道が関越から中央道まで延びるので交流がもっと盛んになる。多摩とするとカバーしないので、ＴＡＭＡとしている。
このエリアはシリコンバレーの２倍の出荷額がある。先日の調査では２４兆２０００万円になっているらしいが、２６兆円と言っている。エリアには理工系大学が４０あり、そのうち会員２３大学ある。
ＴＡＭＡ協会はこのエリアで企業と大学、企業と企業をコーディネートすることが必要であるとして平成１０年４月にスタートしている。当時は会員１３０企業であったが、社団法人となって２６７企業、５５０会員になっている。
会長は、当時都立大学であり今は東京農工大の古川教授である。副会長のおひとりに富士電機の加藤会長になっていただいており、さまざまな個人力を頂いており、今日も低廉な価格で利用させてもらっている。
事務局体制は、９０㎡のオフィスのなかでＴＡＭＡ協会としての３０㎡にプロパーが４名、事業担当併せて９人が働いている。このオフィスは八王子市から只で借りているが、毎日１０時まで働いてその後は八王子の夜を探訪して税収の一部を返している。岩手方式と一緒で私は相模原市であるが、八王子市、狭山市からも各１人、民間では西武信用金庫から職員が２人きており、全部で５名きている。また、昨年から低廉な価格で大企業を終えた後で来てもらっている職員もいる。プロパーの職員は、経理、庶務とＷＥＢ関連である。ホームページには毎月１０万件、この６月には１１万５０００件のアクセスがあった。ただし、アクセス元を見ると全国の支援機関が多く会員は多くないが、コンテンツの整備はブラッシュアップして行っている。
連携している支援組織はたくさんある。ＴＡＭＡ協会の戦略として、相互にウィンウィンの関係になるように、広い地域でもっともっと作っていきたいと考えている。活動紹介をすると、５本柱。力を入れているのはうれるものづくり。産学連携は手段であって目的ではないので、初期は情報ネットワークの整備に力を入れた。
産学連携ネットワークの整備では製品の関連研究テーマをクリックすると大学の先生にいく、逆もある。平成１１年に相当の額の補助金をもらって仕組みを作った。さきほどＴＡＭＡはフェイスツーフェイスがないと言われたが、当時は職員がたかだか３名しかいなかった。ネットワークの活用が重要で、データベースでそこそこできるというのを整備した。ただ、企業はコンテンツを入れてくれたが大学の先生は入れてくれない。そのため、書式が統一されていないなど見にくい面もあるが大学検索ロボットを場つなぎに作った。次のバーチャルラボラトリーは、企業が製品の精度確認の試験をしたいということのために有休設備・機械を登録してもらって他企業が使えるようにした。
ＴＡＭＡファンドを立ち上げた。基金は５億円であるが、ファンドの状況がマスコミに流れたらその日はＨＰへのアクセス件数が１万件あった。見ている人は見ている。
ビジネスマッチング会は、商売に繋がらないとと、やっている。プレゼン資料を作ったり、予行演習をしたりしている。これまで１０分のプレゼンテーションをさせると７分間自社を紹介し、あとの３分で技術の紹介をしていたが、知りたいのは相手がどんなものをつくっているか、どう連携できるのかであることを教えるなどプレゼン技術をアップさせている。いいものを限られた時間で発表するトレーニングもしている。ＨＳＪプロジェクトでは、プランをプレゼンして、トレーニングしているのでぴったり終わる。
研究開発では人が足りない。これには企業のニーズを聴きながら大手から人を捜してもらっている。これまで２９名が面接をして、１２名が実際に中小企業に採用されている。大手には能力はあるがポストがない人もいる。相互によい。
企業訪問では、技術士、診断士４０名ほかがチームを編制して、課題を訊いて解決していく訪問をしている。
ＴＡＭＡファンドは５億円で立ち上げている。投資先は西武信用金庫なかにＴＡＭＡ協会も加わって投資委員会をつくり事業評価をして決めている。目利きが重要で、きちんと育成するかどうかの支援ができるかができるかどうかだ。ハンズオンと言われているが、じっくりみていかないといけない。今までのものづくりはアイディアで作っているが量産化に至るまでには資金が続かない。そこにＴＡＭＡファンドで支援をしていく。
販売ではセールスレップのＴＡＭＡバージョンを展開する。会員のコア技術を生かしてマーケットリサーチをやる。客は、あくまでもスペックはきめる。製品開発の基本は誰が何にいくら払ってくれるかである。いままでがプロダクトアウトがマーケットインに下流からというのを本格的に仕組みを完成させ、１６年度から成功事例を４年間でやっていく。大田区では設計図面を投げると製品ができあがって出てくるといわれているが、大学のシーズを投げると製品ができあがって来るというようなＴＡＭＡにしたい。